歯科医院の担当医が変わるときに気をつけたいこと
こんにちは。久保佳世子です。
院長が担当をしていた患者さんを、別のドクターが継続して治療するケースがあると思います。
仮に「今まで、院長が診てくれていたのに、どうして他の先生に変わったの?」と患者さんに聞かれたとき、どのように応答していますか?
実はこの質問、とても大きな問題をふくんでいます。
大したことではないと、とらえているとしたら、考えを改める必要があるでしょう。
最悪の場合、転院される可能性があります。
次回の予約から他のドクターに担当が変わるとき
中には、数年にわたって診てきた患者さんを、院長から別のドクターに引き継いで治療することがあります。
そのような時は、チェアサイドで院長から、担当が変わることを伝え、次回から担当するドクターを紹介することです。
これがあるのと、ないのとでは患者さんの安心感がぜんぜん違ってきます。
それが無理であれば、院長から患者さんへのアナウンス後、次回から担当するドクターが「次回から担当をいたします〇〇です。」のあいさつがあると良いでしょう。
それさえも難しいのであれば、アシスタントについた歯科衛生士やDAから伝えても良いです。
しかし、実際はなかなかそこまで、しっかりと引き継ぎができていないケースが多いと推測されます。
患者に対して、チェアサイドでの引き継ぎ等の説明ができないときは、必ず受付から伝えておきましょう。
そうすることで、クレームやトラブルを未然に防げます。
患者さんから、指摘されてからでは遅いです。
受付からの伝え方
では、受付から伝える順序をみていきましょう。
1)会計に入るまえに、次回から担当医が変わると伝える
最初に下記のように、お尋ねします。
「〇〇さん、本日の治療お疲れ様でした。治療に関して、ご不明な点等はございませんか?」
予約をとった後や、予約をとる直前だと、どうしても唐突感が否めませんが、治療代をいただく前にお伝えすれば、心象を損ないません。
いちばん良くないのが、予約をとった後に、次回から担当医が変わるのを伝えることです。
なぜ、予約をとった後に担当医が変わるのを伝えるのが良くない理由を、こう例えるて伝えるとご理解いただきやすいかもしれません。
例えば、商品の会計後に「この商品は、返品ができません」と言われるより、会計前に返品ができないのを事前に伝えたほうが、納得度が増します。
ですから、治療費を頂くまえに伝えましょう。
2)患者さんからご了承をもらう
そしてこう続きます。
「〇〇さん、恐れ入りますが次回から、担当が院長から、ドクターの▲▲に変更させていただきますが、ご了承いただけますでしょうか」
「〇〇さん、今後も何かございましたら、受付までお申し付けください」
3)担当医が変わる理由を尋ねられたら
そこで、理由を尋ねられたときは、次のように言います。
「院長が担当しますと、次の予約まで時間があきすぎ、治療が進みませんので、申し訳ございませんが担当医を変更させていただきます」
担当医が変わる理由は、「患者さんのメリット」を伝えると納得していただきやすいです。
- 予約がとれやすくなる
- 治療の進み具合が早くなる
- お待たする時間が減る
このように、患者さんにとってのメリットを伝えていきましょう。
間違っても「院長が忙しいので」と言ってはいけません。
なぜ担当医が変わったのかと電話がかかってきたとき
中には、帰宅してから電話を掛けてくる患者さんもいます。その場で、面と向かって言えない患者さんも少なからずいます。
電話で尋ねてくる場合は、キャンセルや転院も考えている可能性がありますから、応対にはじゅうぶんに気をつけましょう。
では、電話で「今日、どうして院長先生が診てくれなかったの?」と聞かれたときは、
まず、最初に「事前にご説明をせずに、申し訳ございません」と謝りましょう。
続いて「本来でしたら、ご予約をおとりする時点で、ご説明をすべきところ、こちらの説明不足で申し訳ございません」と続けて謝ります。
患者さんの要望や、言い分を十分に聞いたうえで、上記にも書いたように担当医が変わった患者さんにとってのメリットを理由として伝えましょう。
特に、電話応対は、対面コミュニケーションと違い、ことば(ことばづかい、表現の仕方)と伝え方(声のトーン、速さ、口調)で、感じの善し悪しが決定します。
担当医が変わった理由を、電話で尋ねてくる患者さんは、クレームに発展する可能性があるので、ことばづかいや、伝え方にはじゅうぶんに気を付けましょう。
伝え方が悪いと、クレームになるばかりか、患者さんを失うだけではなく、口コミサイトに悪口を書かれることもあります。
ですから、受付スタッフに限らず、ふだん電話に出ないスタッフも安心して任せられるようにしおくと良いですね。
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