【添え状ダウンロード】歯科医院で患者さんに保険証を返し忘れたときの対応手順
こんにちは。歯科 接遇コンサルタントの久保佳世子です。
忙しい時間帯や、まだ業務になれていない新人が、患者さんに保険証を返し忘れることがあります。
そのようなときに、どうされていますか?
患者さんに、保険証を返し忘れたときの対応についてお伝えします。
なお、保険証を郵送する際の添え状のテンプレートをダウンロードできる方法についても、記載していますので、最後までぜひご覧ください。
保険証を返し忘れたときの手順
はじめに、保険証を返し忘れたときの手順について解説いたします。
応対手順
- 気付いた時点で、すぐに患者さんに電話を掛ける
- 医院名、個人名を名乗る
- 今、話せる状態か確認をする
- 「先ほどは、治療お疲れ様でした」と労いの言葉を言う
- 保険証のお渡し漏れがあったことを伝えてお詫びする
- 保険証をすぐにお使いになるかどうかを尋ねる
1~4は基本的な応対です。
5で、「わたくしの不手際で、保険証をお渡しもれがございました。申し訳ございません」と謝罪しましょう。
6で、すぐに保険証を使うと言われた場合は、直接患者さんにお届けするのが基本です。
保険証をすぐに使わないと言われた場合
すぐに使わない場合は、「書留」でお送りしても差し支えないかお尋ねをします。
「大変申し訳ございませんが、書留でお送りしてもよろしいでしょうか?」と患者さんにおたずねしましょう。
ご了解いただいたら、当日中に郵便局に行き、書留で送ります。
当たり前ですが、保険証ですから、一般郵便ではいけません。
郵便配達員から、直接受け取る書留ですと安心です。
必ず「書留」で送りましょう。
保険証を郵便で送るときの注意点
先にも書いたように、郵便ポストに投函し、相手のポストに配達される普通郵便で送るのはNGです。
必ず、郵便局に行き、相手に手渡しされる「書留」で送りましょう。
書留には、「現金書留」「一般書留」「簡易書留」3種類があります。
現金書留は、お釣りの渡し漏れがあったときに使用します。
「一般書留」と「簡易書留」の違いについて
一般書留と簡易書留の違いを要点のみご説明いたします。
一般書留・・・・通常の郵便料金+480円
引き受けから配達までの送達過程を記録し、万一、郵便物等が壊れたり、届かなかった場合に、損害要償額10万円まで賠償されます。
簡易書留・・・・通常の郵便料金+350円
一般書留に比べて、料金が割安で、万一の場合の賠償額は、原則として実損額が5万円まで賠償されます。
一般書留、簡易書留に共通すること
一般書留も簡易書留も、対面の受け渡し、受取人からサインをもらいます。
不在で配達できなかった書留は、電話で当日17時頃(※)までに再配達希望のあったものについては、21時頃までに再配達が可能なようです。(郵便局HPより引用)
休日配達も可能なので、より手元に早く届きます。
書留は、投函する際に時間指定はできません。
しかし、書留の受領証に記載されている引受番号を用いて、郵便追跡システムのオンラインネットワークを使えば、配達状況を把握できるので、送った側からも確認が可能です。
配達状況を確認後に、患者さんに電話をかけて、保険証が手元に戻ったかを確認し、「もう1度」謝罪してください。
一般書留と簡易書留とでは、どちらが良いか?
結論から言いますと、簡易書留で良いでしょう。
理由は、区役所等から送られてくる保険証も「簡易書留」だからです。
しかし、より安心さを求めるのであれば「一般書留」を選ぶと良いでしょう。
注意点として、送付先はご自宅なのか、職場なのかご希望をお聞きし確実に受け取れる先にお送りします。
更に大事なのが、手書きの添え状を同封することです。
添え状の書き方
長々と書く必要はありませんが、こちらの不手際で、保険証を渡し忘れたお詫びを書きましょう。
下記を参考になさってみてください。状況にもよりますが、横書きの一筆便せんでも良いでしょう。
山田 百合子さま
この度は、こちらの不手際でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
本来でしたら、直接お届けに伺うところ、申し訳ございませんが、書留にてお送りさせていただきます。
以後同じミスが起きないよう、気をつけてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
ナニワ歯科クリニック 久保 佳世子
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患者さんのご自宅にお届けする場合
状況によっては、患者さんのご自宅に保険証をお届けするべき場合があります。
その時に、気をつける点についてです。
- 訪問時間は、可能な限り患者さんの都合に合わせる
- 訪問するときの服装は、カジュアル過ぎない
- ユニフォームのままお届けする場合は、アウターを着用し玄関口でアウターを脱いでからインターホンを鳴らす
- 夜間や遠いところまで届ける場合、女性スタッフ一人で行かずに二人で行ったほうが安全
- 保険証は、きれいな封筒に入れて行く
- 謝罪をし、保険証の入った封筒を渡し、間違いがないか確認をしてもらう
- 最後にもう1度謝罪をする
このように突発的に、患者さん宅へ行くこともあるので、普段から華美な服装や、カジュアルすぎる洋服は通勤着として控えたいですね。
保険証の渡し漏れで、絶対にやってはいけないこと
「取りにきていただけますか?」
間違ってもこう切り出すのは、絶対にいけません。
まずは、謝罪したあと、すぐに保険証を使う予定があるかどうかをたずねます。
もし、診療時間外に取りにきていただけそうでしたら、極力患者さんのご都合に合わせて、時間外であっても手渡しができるほうが良いです。
場合によっては、患者さんのご自宅に保険証をお届けすることも想定しておきましょう。
こちらのミスなのですから、患者さんの都合を最優先することです。
同じミスを犯さない仕組みづくり
そして、あわせて気をつけたいのが、チェアサイドやレントゲン室で、外したメガネやアクセサリーの、お返し漏れです。
このようなことが起きてはいけませんが、保険証を紛失しても再発行ができます。
しかし、特にアクセサリーなどを紛失したとなると、取り返しのつかないことになります。
チェアサイドでは必ず「お忘れ物がないようお気を付けください」とお声がけをし、目視で確認しましょう。
受付サイドでも、同じミスが起きないように、「保険証を返却するタイミング」は、決めておきます。
保険証の確認をした時点で返却するのか、会計時に返却するのか、誰が対応してもタイミングはどちらかに統一したほうが良いです。
そのときに対応した人によって、返却するタイミングが違うと、保険証の渡し漏れが発生しやすくなります。
特に、新型コロナウィルス感染症の影響で、受付業務でやることが増えていますので、気をつけましょう。