歯科クリニックのベテランがネックになってスタッフ教育が上手くいかない
● 歯科クリニックのベテランがネックになってスタッフ教育が上手くいかない
こんにちは。久保佳世子です。
歯科クリニックの先生から、ベテランスタッフが自分の言うことを聞いてくれなくて困っている。
とご相談を受けることがあります。
新しいことを始めようと思っても、ことごとく反対される。
以前は、先生がしたいことを片腕となり協力的だった。医院にも随分と貢献してくれた。
ところが、医院が成長するにつれて批判的な態度をするようになり、新しい取り組みには反対意見を言う。周囲のスタッフまで巻き込む。
そして、いつの間にか自分たちの権利ばかりを要求してくる労働組合委員長に、なってしまうケースもあります。
先生のクリニックでは、このようなことはありませんか?
また、お父様の医院を継いで、スタッフもそのまま受け継いだときに、先代からのベテランスタッフに手を焼かれている先生もいます。
中には、現院長が子供のときに、そのベテランスタッフに面倒を見て貰った。なんてこともあります。
だから、余計に注意がしにくい。
何れにしても、このベテランスタッフが、今後医院を発展させていく上で、ネックになっていたら、そのまま放置してはいけません。
日々やりにくさを感じながらも、何の手も打たないのは医院の成長スピ―ドを止めてます。
そうした場合は、面談をし医院の方向性を示し、そこに理解と協力を求めます。1回で理解が得られない場合は、面談を重ねます。
それでも、難しいと判断した場合、最悪辞めて貰うことも視野に入れて考えなければいけません。
その際は、社会保険労務士に相談した方が良いです。
あと、気になる点として、マネジメントの能力が無いにも関わらず、勤務歴が長く古いだけでチーフにしている医院様も少なくありません。
訪問先で「なぜ、●●さんがチーフなのですか?」とお尋ねすることもよくあります。
チーフを作るのが目的になっています。目的と手段が入れ替わっています。
上記にも述べたように、チーフになった頃は医院に貢献をしてくれた。しかし、医院が成長してくると、成長スピードについていけず、かえって足を引っ張られる。
こうなっては、チーフとしての機能を果していません。
チーフの役目は、院長とスタッフとの間に立てる人です。院長がやりたいことや実行するための補佐役であり、調整役です。
また、院長に届かないスタッフの声を伝達する役目もあります。ところが、ここを履き違えて労働組合委員長になってしまうようでは意味がありません。
スタッフ側の要求ばかりしてくる。それが、患者さんにとって良いことであれば、耳を傾ける必要があります。
患者さん、医院の利益になる思考が必須です。
しかし、自分たちが楽をしたいがための主張をするようなチーフでは、調整役として全く機能をしていません。
こういったケースは、チーフを降格にすべきです。適正な後任者が居ない場合は、無理にチーフを選任しない方が良いです。
チーフにふさわしい人が育てば、或いは採用できればチーフとして起用して良いでしょう。